腐女子姫と七人の王子様
鼻歌でも歌うようにからかう親友二人の頭に軽くチョップをお見舞いした時。
ガラガラ
誰かが教室に入ってきた。
「失礼します」
ネズミを思わせる小柄な体格に、首に下げた本格的なカメラ。
「あれ?君は確か……」
「先輩、おはようございます。向坂 竜胆です!」
ニコニコと微笑む竜胆くんの目は、真っ直ぐに私だけを見てる。
……うぅ。ズキュンとくる。
一昨日みたいにびくびくしてなければ、私の理想のショタ像そのもの。
あ〜、見れば見るほど、純粋過ぎて、濁った心が洗われそう……
「放課後、校門前で待って頂きたいのですが、何か予定とかありますか?」
「え、あ、あーっとね、ごめんね、文芸部の活動がある。終わるのは六時半くらいになるかな。それ以降は何も無いけど」
「それで大丈夫です。ぴったり」
ぴったり?なんだ?
竜胆くんは何かを隠すように貧乏揺すりをしながら笑っている。
やっぱ可愛い。
「それでは、校門前で待ってます。絶対来てくださいね!」