腐女子姫と七人の王子様
スマホで私の好きなアニメを見ながらホモ妄想してたら、亜希乃に背中を蹴られてしまった。
手加減してよ……痛い……
「何じゃないわ、休み時間とはいえ、教室内だよ?イヤホンしてるから音が漏れないからっていっても、BL苦手な子もいるかもしれないんだから、もう少し自重しなよ!」
「うぅ……」
はい、ごもっともでありんす。ゴメンナサイ。
「で、阿弓、何見てたの?」
前の席に座ってた蝶羽が、振り向いて私のスマホを覗き見る。
「『少年忍者いろはの忍務』!主人公は変装が得意な忍者、いろはくんなんだけど、私はその友達の氷狐(ヒコ)くんと一夜(イチヤ)くん推しなのだー!」
「いや、それは聞いてないけど……」
「えー、蝶羽冷たい……」
「冷たくないよ。私阿弓みたいに別にアニメとか好きじゃないし……」
「その正直な発言が冷たいy」
ガチャン!
ヒュオオオオオオオオ
「…………」
いきなり窓が割れて、風が吹きこんできた。
紙に包まれた石が投げ込まれたからだ。
教室内が一気にざわつく中、一人冷静な蝶羽が石と紙を拾い上げた。