腐女子姫と七人の王子様
女性が向かったのは、花壇の前あたり。
そこには、変な人だかりが出来ていた。
花壇の前?珍しい花でも咲いてるのか?と思ったけど、なんだか音楽が聞こえてきた。
弾き語りか、路上ライブかな。
ここからじゃ遠くて見えないし聞こえないけど。
「ねぇ、セルがいるって本当?!」
「本当本当!でもラスト一曲だよ~」
「マジで?残念~……」
さっきの女性が友達と合流してはしゃいでる。
セル?
誰だそれ。有名人?
芸能人は興味無いし、TVもアニメくらいしか見ないからなー……
まぁ良いや。
時雨澤を待つ間、ちょっとBGM感覚で聞いてようかな。
やがて音楽が終わり、ギャラリーが散り散りに去っていく。
段々と人だかりの中央にいた人の姿が見えてくる。
……あれ。
あの派手めな髪色とビジュアル系っぽい服装は……