腐女子姫と七人の王子様
「で、その姉が、隣のクラスにいる山田 玖良羅(やまだ くらら)。姉妹だからって性根まで似てるとは限らないけど、その人とか気をつけた方が良いと思うよ。妹に似て結構独占欲強くて嫉妬深いらしいから……あ、逆か。妹が姉に似るんだよね」
「あー……そいつ確か風紀委員のくせしてバリバリの似合わないケバい化粧してるブスだっけ」
「そう!私あの人嫌いなの!阿弓も気をつけて!関わんない方が絶対良いから!」
まぁ少女漫画によくいる意地悪キャラみたいな奴らしいけど、私とは直接関わった事ないからなんとも言えない。
というか、蝶羽がこんな他人の文句言うなんて珍しいな。フラグか?
「変なフラグ立てんなよー……」
「え、ふらぐ?旗?」
あ、こいつフラグが分かってないのか。
「まぁ何でもいいや。今日もまた誰かお迎え来るんでしょ?一応警戒態勢とっといてよ」
「分かった分かった。気をつけるつて」
蝶羽なりに心配してくれてるのはよく分かった。
私はそれをちゃんと受け取った。
「榊さん、お迎えに上がりました」
背後から突然声がした。
噂をすれば……
「せ、生徒会長……」
椅子に座ったまま上半身だけくるりと後ろを向くと、執事のような立ち居振る舞いの生駒 明比(いこま あけび)生徒会長がそこに居た。