腐女子姫と七人の王子様

「ふふふ、明比と呼んでください」

口元が三日月形に微笑むが、目が色々と真剣で本気(まじ)だ。

生徒会長……いや、明比さんがここに来たということは……

「今日はこの私が、貴女の彼氏役をさせていただきますよ」

だーよーねーーー!!

最初が芸術家っぽいヤンデレ、次が狼が猫被ったようなショタ、その次が周りが見えない動画投稿者と来たから、比較的安心とも言えるけど……

私は初対面の時を思い出す。

この人は睦月先輩が私に触れた箇所を消毒と称して舐めようとした変態だ。

不安しかないんだが。

「では、失礼して」

「は?」

突然ふわりと身体が浮き、視界に床しか見えなくなる。

担がれたようだ。

そのまま逃げるように明比さんは窓から出た。

「え、え?!今から?!」

「行ってらっしゃーい。先生には私から適当に言っとくよー」

蝶羽が棒読みで手を振る。

おいいいいぃぃーー!!!親友なら助けろよ!!





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