腐女子姫と七人の王子様
❇金曜日の人格王子様
『今度の相手はワタシだよ』と唐突にLIKE(ライク)を貰ったのは日付けが変わってすぐのこと(もうどうやって連絡先を入手したのかは考えないでおこう)。
眠い中見た画面だけど、確かに私宛にそう書いてあった。
なのに……
「……来ねぇ……」
腹を括って待ち合わせ場所に来たものの、花宮は来ない。
せっかく今日は祝日で学校が無いのに。
駅前の時計台の下に寄りかかって腕組みをして、もうかなりの時間が経った。
腕時計を見ると、もう四十分も待ち合わせ時間をオーバーしてる。
自分から言ったくせして何やってんだ、あの主催者?
こんな奴の為に時間割くなんて、無駄だったかな……
昨日頭に花をつけたまま戻ってしまい、散々親友二人に弄られたのもあってイライラがピークに達してる。
いつの間にか自分でも分かるくらいの殺気を放ち、足をパタパタさせていた。
仕方ない。
私はスマホを鞄から出して、ある場所に電話をかけた。
『はい、もしもし?』
出たのはハッキリとした声の少女。