腐女子姫と七人の王子様

「あ、榊 阿弓ですけど」

『ゑ?!えっ、えっ、さ、榊さんですか?!あっあの、私、ファンでですね、あの、ほっ、ほんとにあのっ』

そう。私がかけたのは蝶羽から念の為に教えて貰った『榊 阿弓をお守りし隊』の連絡先だ。

なんでも、情報通の奴揃いの団体らしく、オマケに私の為なら全身全霊で働いてくれると蝶羽から聞いた。

電話に出たのは隊長の子らしい。

途中でゴトンと受話器が落ちたらしい音が聞こえた。

即売会で神絵師に会ったヲタクみたいになってるぞ?

「あー、花宮 永遠の住所って調べられないかな?出来れば早めが良いんだけど」

『は、はいっ!お安い御用です!榊様の為であるならば、『榊 阿弓をお守りし隊』隊長のこの東雲(しののめ)、必ずやお役に立って見せます!』

受話器の向こうで敬礼でもしてそうなくらいビシッとした口調だ。

『西河(にしかわ)!大至急花宮さんの住所を調べて!榊様のご依頼だよ!!』

『あいあいさー!』

ブツっと通話が切られた。

……超便利だな。

こういうのも悪くないかも。

さて、更に時間がかかるけど、あとはリダイアルでの連絡を待って、その住所へ言って文句言えば大丈夫だろ。

その間、ソシャゲでも……
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