腐女子姫と七人の王子様
そして下校時。
「蝶羽、亜希乃!このあとカラオケ行かない?」
「あー、ごめん。私、家の手伝いあるからパス」
「そっかぁ、蝶羽んち雑貨屋だもんね」
「あ、あたしは空いてるよ!行こ!」
「まじか、亜希乃!行くか!」
いつものように三人横並びでお喋りをしながら階段を降りた。
「どこのカラオケにする?」
「んー、駅前のとこが良いかな。安いし」
靴を取り出そうとして自分の靴箱を開けると―――
バササッ、バサッ
「!!」
何かがたくさん落ちてきた。
「阿弓、なにそれ?」
隣で靴をとった亜希乃と蝶羽が覗き込む。
「わかんね。なんか落ちてき……」
たくさんの中で手にとった一つは、薄いブルーの封筒に、赤いハートのシールで封をされた手紙だった。
こ、これは……