腐女子姫と七人の王子様
「「ら、ラブレター?!?!」」
私より先に、亜希乃、蝶羽が小声で叫んだ。
「い、いや、まだそうとは決まってないでしょ!!」
今時下駄箱にラブレターなんて、古典的すぎるし。
いつの時代の少女漫画だよ!
亜希乃が他に落ちたものをすべて拾うと、ニヤニヤし始めた。
……全部で六枚あったけど、封筒の大きさや色やシールの色は違えど、ハートが付いている。
私が今持ってるのを合わせて、七枚。
そして亜希乃は躊躇うことなくその中の一つを開き始めた。
「えーと……なになにー?」
「ちょ、まっ、おい!一応私宛だぞ!」
「『榊 阿弓さん、大切なお話があります。放課後、屋上まで来てください。待ってます』だってさ。誰からかは書いてないわ」
「やっぱラブレターじゃん!!キャー♥」
勝手に読み上げる亜希乃と、自分宛じゃないのに照れる蝶羽。
「いやいやいやいや!!部活の先輩かもしれないし!」
私は文芸部に所属してるから、先輩や部長からの連絡かもしれない。
そっちの方が無いとは思うけど、その可能性にすがりたい気持ちでいっぱいだ。
人生のうちに一度も告白なんて受けてないし、今は二次元のホモが好きだし、それに本当に告白の手紙だったらなんて答えたらいいのかわかんない!