年下彼氏の甘い罠
⒊接待?デート?
「尾崎さん、寒くないですか?」
「えっ?あ、…はい。」
と言ったのに、気を使ったのがバレたのか、結城さんは車のエアコンの温度を上げてくれた。
すごく気遣いが上手。
だけどそれ以上会話が続かなくて車内に再び沈黙が訪れた。
…どうしてこんなこと(結城さんと車内で二人きり)になったかと言うと。
結局、谷内部長の好意(なのかな?策略…?)を謹んでお受けした私たち。
「少し郊外だから、打ち合わせが終わると出向扱いで出たらいいよ。」
というこれまた谷内部長の好意(ということにしよう。)を受けて結城さんの社用車で予約のお店へ向かっている途中。
まさかこんなことになるとは思っていなかった私は、どうすればいいのかいつも以上に口数が減っていた。
多分結城さんもおしゃべりな人じゃないから、車内がこうなるのは当然といえば当然。