年下彼氏の甘い罠
「もうすぐ着きそうですね。」
「…そうですか。」
窓の外に目を向けると、竹やぶや緑が多いのが目についた。
人も少なくて落ち着いた大人の隠れ家のような場所。
訪れた料亭も緑の中にひっそりと佇んでいるような知る人ぞ知る風格のある店構をしていた。
女将に案内されて通された部屋からは庭園が見渡せた。
「すごい…。池まである。」
四季の草花が丁寧に手入れされていて、灯篭や庭石も見える。
はじめは乗り気になれなかったのに、ここに着いてからテンションが上がっていくのが分かる。
来てよかったと、すでに思えるほどだ。
ここで接待されればどんな相手とだって親しくなれると思った。
さすがは谷内部長。
もしかしたらここの場所を仕事で使える様に、私たちに教えてくれたのかもしれない。