年下彼氏の甘い罠



「改めて、谷内部長に御礼をさせて頂かないといけないですね。」


やっぱり結城さんも同じように部長の意図に気付いたみたいだった。


何事も私たちには貴重な経験になる。


でもその機会を与えてもらえるかは上司による。


自分が損をしてでも後輩を育てようと思って下さる人は少ないからだ。


庭を眺めていた結城さんの横顔を見ると視線に気付いてこっちを向いた。


「元々、尾崎さんとこんな時間を持たせてもらえて部長にはすげえ感謝してます。それなのに同じ会社じゃない俺にまでこんな経験させてもらって有難いです。」


結城さんにはそれだけの価値がある。


部長はそう思われたんだと思う。


あの部長に認めてもらえるなんて、少し結城さんが羨ましくなった。


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