年下彼氏の甘い罠



「尾崎さんに笑ってもらえるならいくらでも話します。」


返す言葉が見つからずに思わず顔を伏せた。


その時、コンコンとノック音が聞こえて開いたドアから谷内部長が顔を出した。


「お久しぶりです。谷内部長。」


立ち上がった結城さんが挨拶をした。


谷内部長は私の前任者で、結城さんとも面識はある。


でも半年位顔を合わせていないのにすぐ名前が出るのは凄いとしか言いようがない。


仕事に対する熱意が伝わる。


「結城くん、だったね?相変わらず大きいね。」


谷内部長が結城さんのそばへ行き、2人が並ぶと本当に頭ひとつ分位大きい。


もちろん、部長が普通で結城さんが規格外な大きさなんだけど…。


「打ち合わせは進んでるかな?」


「はい、今イラストと挿しを決めていたところです。候補を絞って頂いてるので部長も見て頂けますか?」


「いや、君たちの仕事に口を出す気はないよ。いつも出来上がりに満足してるからね。」


「「ありがとうございます。」」


部長の言葉に私と結城さんの言葉が被る。


でも部長に認めてもらえたのは素直に嬉しい。


きっと結城さんも同じ気持ちだと思う。




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