今日も、明日も。

それから高校に入学した。
田舎だったから大体が顔見知り。

でもその中に集くんはいない。


そんな時。集くんがいなくなった理由が噂として全生徒に広まる。

でもその噂は…まったく嘘だった。

「なあ、しってる?集がいなくなった理由!
あいつ、他校のやつ殴って責任とるためにひっこしたらしいぜ」

「もとから不良っぽいっていうか、こわかったもんね。なにかと睨まれてる感じしてたもん。」

「殴ったってかなりやばいよね、
そんな人が身近にいたなんてこわすぎる。」



噂はどんどんひどくなっていった。

違う。違うよ。
集くんはそんな人じゃない。
いい人だよ。


でも…私の弱虫な性格が邪魔して言えなかった。


それから5年後。
こうして大学に通っている。

今までの5年間、一回も集くんを忘れたことはない。

「元気にしてるかなぁ…?」

ポツリと呟いた言葉はくもりぞらに吸い込まれた。
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