誠のもとで

左の頬が痛く、叩かれたと気付くまでにそう時間はいらなかった。

ジワッ

涙が滲んできた。

泣きたかった。でも、泣けなかった。

「何で泣きそうなの?お母さんのほうが!」

お母さんの目から大量の涙が流れていた。









「その子は母親の泣き顔を始めて見たんだ。」

「でも、何で叩いたんだ?その母親は。」

「多分だが、両親の思い出の花だったんだろう。」

< 131 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop