終わらない恋
受付でもう大丈夫だと伝えて、私達は病院を出て駅に向かう。
駅には人がありふれていた。

「ねぇ、あれ、魁斗さんじゃない?」

「ほんとだ!!」

駅にいる女子高生が魁斗を見て喜んでいる。
魁斗は人気者だ。
分かってるよ。

そんなときに、魁斗が手を握ってきた。
私も握り返した。
電車が来て、すぐに乗ると席に座れた。
久々の景色を見るとやっぱり懐かしかった。

「懐かしいな、ここ」

そう言って魁斗が窓の外を眺めている。
その横顔が凄く嬉しそうで、田舎を愛しているんだと伝わってくる。

「唯、やっぱ、いいとこだよな、田舎って」

そう言っている魁斗からは都会人オーラが漂っていて、田舎人とは思わせない。
その笑顔も、きっと、ここで幸せなことがあったんだと思う。

長い間、電車に揺られた。
降りる駅に着くと、電車の人は減って、空いていた。
電車から降りて、改札を抜けて、家へと向かう。
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