【短集】Color


その言葉で、その夢も叶う気がする。






『紫陽花が綺麗だな』




雨にぬれた紫陽花をそっと触る師。

私はうっとりとした表情でそれを見る。





紫陽花と、師。

絵になっていて、とても似合っている。






『紫陽花は、どれも皆バラバラだ』



「……?」




私は、師が何が言いたいのかが理解できなかった。





『色も、形も。
全部。


…お前も、お前らしく頑張れば良いんじゃないか?』










…朝日が、照らす。





「…はい。」




朝の光と、草花と、あなたが眩しい。








【HYDRANGEA】







澄み切った空に、鳥が飛んでいった。





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