【短集】Color
あたしがため息をついていると。
『冬嘉?行くぞ』
そう言って蓮は、乱暴にあたしのカバンを持ち、あたしの手を握った。
き、きゃああっ!!!
な、何か嬉しい!!
あたしは心臓の暴れを抑えながら、蓮と共に教室を出た。
学校から出て、夕暮れの中歩く。
あたしより年下なのに、高い背。
大きく温かい手。
幸せすぎて目眩がしそうだよ。
『冬嘉、顔赤い』
ぐぇっ!?バレたぁ!?
「赤い!?あたし!?」
『うん、真っ赤。』
…あたし顔出すぎ。
「……あのさ」
今だ真っ赤な顔を見られないようにそっぽを向きながら、あたしは口を開いた。