【短集】Color
【Sweet voice】
「楽しかったなぁ♪」
あたしはそう独り言を言い、自分の部屋に入り、ベッドに横になる。
今日のデートで撮った写真を見て、思わず一人ニヤける。
朝早く起きて悩んだ服装に、
「可愛い」
そう言ってくれた。
意外にコーヒーカップがダメな事。
あたしが勢い良く回しすぎて、不機嫌だった。
帰りは家まで送ってくれて、優しい笑みで「バイバイ」だって。
ああー、もう頭があなたでいっぱい!!
もうおかしくなりそう。
あなたに貰ったストラップ。
早速携帯につける。
"ヴヴヴ…"
携帯にストラップをつけていたら、携帯が揺れた。
メールが来たみたいだ。
"智樹"
あたしはメールを開く。
"今日楽しかったな!!また行きたいね。"
そんなメールも凄く嬉しくて。
あたしはすぐに返事を打つ。
"返事をわざと遅くした方が良い"
なんて、恋愛学ではよく言うけど、あたしはそんな事しない。
わざと遅くするなんて、無理だよ。
"凄い楽しかった!!
今度遠い所行きたいな~(笑)"
送信。
"ピルルル♪"
…へ?
電話?
次から次へと忙しい携帯だな。
"智樹"
…電話?どうして?
あたしは不思議に思いながらも、電話に出た。
「もしもし?
どうしたの?」
『お前のメール見たら、声聞きたくなっって。』
その途端、あたしの胸はキュンとなる。
馬鹿みたいだね。
けどね、もうどうしようもないんだよ。
「…ありがと。」
受話器越しから聞こえるあなたの声は、
とても安心できる。
またあたしの顔はニヤけてしまうじゃないか。
【Sweet voice】
今度は、何処行こうか?