【短集】Color
【Secret love】
「ここにxを代入し…」
今は授業中。
しかも、数学。
高校の数学なんて、難しすぎて聞いてらんない。
…ここは眠るっきゃない♪
あたしはがばっと机に伏せた。
一番窓側の席で、一番後ろ。
ここの席が、あたしは大好き。
"コツンッ"
「いてッ!?」
何かが頭に当たる。
そしてあたしは思わず声を出し、注目の的。
「藤沢~…何が痛いんだ?」
……ぅ。
先生にそう聞かれるが、答えられない。
「ちゃんと聞けよ」
そう言って先生は黒板に向き直る。
「ぷっ、怒られてるし」
…コイツか。
あたしの隣の席にいる、ニヤニヤ笑ってるコイツ。
「あんたでしょ、あたしの頭に何かぶつけたの。」
こいつ何なの!?
いっつもちょっかい出してきやがって!!
「おー怖。
あんたが落とした消しゴム拾ってあげたんですけど。」
だからって投げてぶつけるかっつーの!!!
「はー、もういい。疲れる。」
あたしは再び机に伏せた。
「そこ、うるさい。全く…藤沢は、聞いてんのか?」
っうげ!!!ヤバイ!!!
「き、聞いてます!!」
「じゃ、問3やってみろ」
そんなぁあ~!!
実は聞いてませんでした★
なんて言えるかっつーの。
「ぅ…えと…」
すると隣のアイツが何か床から拾った。
そして、何やら書き込んでいる。
のんきな奴め!!
お前も共犯だよ!!
……解けない。
ここは素直に謝るしかない…
そう思った時。