死神の愛情表現
『実際俺にもあそこの街には疑問を持ってて…』
ユウの言葉が頭の片隅で響く。
「チッ、、だからか…」
俺は顔を歪める。
『吸血鬼が決まった時間になると…必ず人を…っ、、殺すんです…だから、、』
そこで女の人は泣き崩れた。
『この子、、彼氏をその吸血鬼に殺されたんです…』
友達だろうか…、、その女の子の背中を優しくさする。
『吸血鬼は、、その後に、、この、先の奥の池の畔に集まるんです…しかも、その池に近づいたものは必ず死ぬって…』
『こんな事が起こる前、あそこの畔に思い人と来ると必ずその思いは叶うって…あったのに…』
今は、、、と、言葉を濁す。
「わざわざ辛いことを話してくれてありがとう。これ、、」
俺はハンカチを女の人に渡すとスタスタと去っていった。