RE
「はぁ…………。」
窓辺の席。
隣には暗くてさえない男子。
つまらない……。
それだけがぐるぐると回る。
「森口、呼ばれてるよ。」
「あ、すいませ~ん。」
あたしは普通に明るいタイプ。
そういうふうに振舞ってる。
そうじゃないと、いじめられるから。
弱い奴に漬け込む。
このクラスが、本当は大嫌いだった。
「うわ、REだ。」
「こわ。」
校庭にいる彼を見て皆が悪口。
よく先輩の悪口を言えるね……
でも何よりも、
れん君の悪口を言われる事が許せなかった。
やめてよ。
そんな事、言わないでよ。
れん君の事、何も知らないくせに。
あたしも、何も知らないのにね。
「…………。」
まだ彼と話したことはない。
「あ、こっち見てる。こわ~。」
「あっち行けあっち。」
小声の悪口が教室に伝染していく。
でも彼は、澄んだ瞳で前を見ていた。
そんな彼に、恋をしている。