RE

“♪♪♪”

大好きなはずのメロディーも、今では耳障り。
視界がぼやけて、ハッキリしない。
欠伸するにも出来なくて。

「うっさ……。」

頭を抱えて少し髪を掻き上げる。
今、あたしは家に帰っている。
教室に帰る気にもなれず、家に帰った。

“♪♪♪”

眼を閉じれば、あの光景。
音がなければ、笑い声。
どうしても忘れられない記憶。
そんなの、なくったっていいのに。

「…………。」

“ブッ、ブーブー……。”

力いっぱいボタンを押す。

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