RE

「RE、この前も万引きして捕まったって。」
「そろそろネンショー入るんじゃね?ヤバ。」

少年院なんて言葉を簡単に使うクラスメイト。
馬鹿だなって。
人の本質も知らないくせに。

でも、あたしもそうかな。
彼の本質を知らない。
ただ、見つめているだけなんだ。

「…………。」

“キーンコーンカーンコーン。”

書きかけのパラパラ漫画。
正確にはれん君の似顔絵。
全部違う場面。
彼を見るたびに増えていく。
あたしの宝物。
絵は、得意だから見れば分かるだろう。
だから、クラスメイトには見せられない。

「…………あ。」

今日、当番だった。


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