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“プルルルルルルル……。”

「早く出てよ……。」

さっきの事を伝えるより
早く亮の声を聞きたい。

“ガチャッ。”

「……亮?」




“ガララララ!!”

「何だよ、テメエ。」
「は?覚えてねえの?」

亮は記憶をたどってみる。

「あ、この前の奴か。雑魚?」
「はぁ?!テメエ殺すぞ!!」

金属バットを持った男は眉間にしわを寄せながら亮にゆっくりと近付いてくる。
亮は背中に冷や汗をかいている。

“♪♪♪”

「!!」
「平和ボケした面しやがって。」

“♪♪♪”

携帯が鳴り響く中、亮はバットの先端を顎に押し付けられる。
ひんやりと感じる金属の冷たさに亮は悪寒を覚えたが、携帯の電源をばれないように切ってしまう。

「…………千尋。」
「あ?」
「テメエの女の名前だよな?」

ニヤニヤ笑う男を亮は思い切り睨んだ。
顎に突きつけられたバットを右手で掴み、男の後ろへと投げ飛ばしてしまう。

「気安く呼んでんじゃねぇよ。死ね。」
「何ムキになってんだよバーカ。」

ニヤニヤと笑ったままの男が亮の胸倉を手繰り寄せるように掴む。

「一生その女に会えねえ面にするか、逆に女を会えねえ面にするか、どっちがいい?」
「もう一回言ってみろ。」
「死ねって言ってんだよ!!」

“ガスッ!!”







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