RE
「千尋……アンタなんかした!?」
「え?」
「REが呼び出しだって、アンタに。」
「嘘っ。」
皆哀れみの眼であたしを見ていた。
でも、嬉しかった。
あたしの事、呼んでくれた。
一回喋っただけなのに。
「千尋、行くの?」
「……うん。」
「やばくない?REって危ない奴って噂じゃん!?」
「平気だよ、噂だし。」
そう、噂だから。
『怖くない?俺。』
あの気遣いに、嘘なんかない。
絶対、嘘。
「……行ってくるね。」
「う、うん。」
新しい世界だって見えるかもしれない。
退屈なこのクラスから、抜けられる?
そうだったら凄く嬉しい。
彼に、少しでも近づきたかった。