RE
“ガラガラッ。”
教室のドアを開けると、彼は立ってた。
あたしを見て少し驚いた顔をした。
「本当に、来てくれた……。」
「え?」
「……いや、皆ビビッて大抵は来てくれないからさ。そういうの、嬉しい。」
ニコッと笑ってあたしを見てくれる。
あたし、彼を笑わせた?
凄く良い気分。達成感?
「千尋って呼んで良い?俺の事もタメで良いから。」
「い、良いんですか?先輩なのに……。」
「うん。」
初めての呼び出し。
初めての先輩への恋。
嬉しい…………。
不思議と笑みがこぼれた。
「えっと、れん君じゃ、駄目ですか?」
「れん君?そういえばさっきも言ってたよね。何それ?もしかしてあだ名?」
「はい、あたしだけですけど、使ってるの……。」
「そうなんだ。良いよ。」
「本当!?」
彼は快く頷いてくれた。
そんな彼に、もっと、前より惹かれて。
「……宜しく。」
「はいっ。」
あたしは色々な事を学んでいくんだ。