RE
“ガチャ、ガチャガチャ!”
「クソッ!!」
「……うっせえなぁ、亮クン。」
「出せよここから!!」
“ドンドンドン!”
暗い部屋に影が動く。
笑う男の正体は薄暗さに隠れていた。
「汚ねえんだよテメエ!」
「あーうるさいうるさい。大丈夫だよ、俺はまだ千尋ちゃんに手を出す気は無いから」
「気安く呼んでんじゃねーよ!」
亮の叫び声が暗闇に吸い込まれて消える。
亮の背中に汗が伝った。
「あー怖。ムキになってさ、どうせ遊びなんじゃねーの?ヤンキーのお前の事なんて、向こうもそこまで信じちゃいねえよ。期待してさ、バッカじゃね?そういうの、幾らでもあったろ。」
“シュボッ。”
ライターのオレンジの火が光る。
白い煙草に赤い火をつける。
ステールウールの如く光る。
でも暗闇は明るみには変わらない。
「……期待して悪いかよ?」
「立場分かってんのかよ。監禁、されてんだよ?お前、もしかして俺よりバカなわけ?」
「うっせえ!!」
“ガッシャーーン!”
部屋の中で何かが壊れる。
監禁主も少し驚いて部屋を覗く。
「バカじゃ、ねえの……。」
亮は拳から血を流していた。