RE
「早く早く!」
「待って~……」
息が切れる。
もう何分走っただろう。
『あたしのウチに来てよ!』
って言うから付いて来たらこれ……。
この子のうちは予想以上に遠かった。
意識が朦朧とする……。
「待ってっ……!」
「もう、千尋ちゃん運動オンチ~?」
「ゴメン……」
息を整える。
ここ、何処なんだろう。
知らないところ……。
「ごめんね?歩いていったら、だめかな?」
「う~ん。ウチ的には早く紹介したいんだけどなぁ……?もう千尋ちゃんは走るの辛い?」
一瞬固まる。
聞き間違い?
「え、ちょっと待って。紹介って?」
「彼氏に決まってんじゃーン。千尋ちゃんの新たな門出への第一歩ってやつだよ~?」
ニコニコ笑う。
この子、頭おかしいんじゃないの……?
「ごめんあたし、亮と……」
「知ってるよ?」
「は?」
「知ってるから」
わけが分からなくて頭がぐらつく。