RE












「千尋ちゃぁん?」
「はへ……」

ふらついて思わず倒れこむ。
地面に膝をついた所為で少し擦りむく。

「イタッ」
「あたし、呼んであげるね?」
「へ?」
「お兄ちゃんに迎えに来てもらう」

お兄ちゃん。
さっきから出てくる人。
いったい、誰?

この子が何をたくらんでるのか
何を考えてるのか
全然分かんない。

「あ、お兄ちゃん?うん、平気ィ。うん……。もうちょっとなんだけどねぇ、うん、池公園の入り口ぐらいだよ」

淡々と話す彼女の背中がぼやける。
頭が混乱していた。

「今来るって!」












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