RE
「ごめん、いい……?」
「ん~?」
公園の中のベンチに座る。
彼女の顔が揺らぐ。
「どうして、いきなり……」
「ああ、お兄ちゃんの事?」
「…………うん」
「仕方ないんだよ」
ニコッと笑う彼女が怖かった。
何かを企む顔が。
「千尋ちゃんに、お兄ちゃんが会いたいなんていうからね?だから、あたしが叶えてあげなきゃいけないんだよ?まあ、千尋ちゃんには分かんないだろうけどさっ」
「はぁっ!?」
私は、何に巻き込まれたの?
何を企んでるの、この子は。
色々な出逢いが重なりすぎて
私の頭を混乱させる。
「だからぁ、千尋ちゃん」
逃げられるの?
この輪廻から。
「逃げちゃ、だめだよ?」
そんな言葉を投げ掛けられて
恐怖しない人間がいるだろうか。
「約束」
私の喉に近付く刃に
私は小さな悲鳴を上げた。