闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
どんどん涙が溢れてくる。
あたしのこと、そういう対象に見てないなら…………
キスなんて、しないでよ…………
「奈緒……」
呼ばないで。
何も、聞きたくない。
「奈緒っ……」
諒真さんの手が、あたしの腕に触れた。
──パンッ!!!
「触らないでっ……!!!」
その手を払い落とし、あたしは裸足のまま駆け出した。
「奈緒!!」
後ろから諒真さんの声が聞こえるけれど、無視して走り続ける。