闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
▲地獄の再来▲
「起きろ、このクズ!!!」
「ぐっ…………」
全身に鈍い痛みが走って、目を開ける。
月あかりがさす、薄暗いコンクリートの物置。
そこにうっすらと見えるのは、仁王立ちになっている女の人。
見た瞬間、吐き気がする。
「アンタ半年もいないと思ってたら、ここの街に隠れてたのね!!生意気よ!!」
また、蹴られる。
遠く微かに、父と兄が見えた。
その表情は高揚していて、笑いを抑えられていない。
「よくも全財産奪ってくれたわね!!消えろこのゴミが!!!」
「っあ゙……!!」
何度も何度も、蹴られて殴られて。
意識が朦朧としてきた。
あたしが意識を失わないギリギリのところで保ちながら、義母は外に向かって叫ぶ。
「入ってきなさい!!」
バタンと扉が開けられ、入ってきたのは10人ほどのヤクザたち。
全員ニヤついている。
「この女は好きにしていい。殴るなり、ヤるなり、殺すなり。ただ証拠は残らないようにしてよ!!」
それだけを言い、義母と父と兄は物置から出ていった。