闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
正門があいていないので裏門に回ると、これでもかというほどの数のヤンキーがたむろっていた。
そのうちの何人かが俺に気づき、歩み寄ってくる。
「何だァお前?ここのやつじゃねぇな?」
「弱そーな面しやがって!」
あーうぜぇ。
時間ねぇからどけ。
押しのけて通ろうとすると、前に、後ろに、ヤンキーが並んだ。
「無視とは感心できねぇな、兄さん!」
「俺らに喧嘩売ってんのかぁ?」
どけよ。
通れねぇ。
「……チッ」
イライラして舌打ちすると、俺は正面のヤンキーめがけて回し蹴りをした。
並んでいたため、ドミノのように崩れるヤンキー集団。
弱ぇな。
「………雑魚が俺の邪魔してんじゃねぇよ」
睨みをきかせてそう言うと、全員逃げ出していった。