闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
急いで土足のままで校舎に入り、教室を覗いていく。
ここにも……ここにも……こっちにもいねぇ。
くそ、歩のやつどこ行きやがった…………!!
キレ気味に走っていると、ケバい女がわざとらしく「きゃあ」なんて言ってぶつかってきた。
「いったぁ〜い!」
上目遣いをして見上げてくる女。
キモいんだよ、見んな。
「ねぇ、手ぇ貸して?」
「…………あ゙?」
「手よ、手!立てなくてぇ〜♪」
・・・仕方ねぇな。
俺はニヤリと笑うと、女の腕を掴んで…………
思い切り、引っ張った。
「ぎゃああぁぁぁああっ!!!」
女の悲鳴が響き渡る。
右肩を押さえながら倒れ込み、痙攣している女。
「手は貸したぞ。じゃあな」
フッと笑い、足早に立ち去る。
あいつにはかなり重い脱臼をさせてやった。
邪魔するからこうなるんだよ。
とにかく、歩を探さねぇと…………
スマホを取り出して電話をするも、あいつは出ない。
となると、さっきーに電話してみるか。