闇桜〜銀色のキミに恋をした〜


歩がスマホから目を上げる。



「九條……奈緒だと?」


「あぁ」


「理由は」


「あいつが何かやべぇことに巻き込まれてる。助けに行く」


「……お前、騙されてんじゃねぇの」


「んなことねぇ」



怪訝な顔をする歩は、さっきーに目を向けた。



「アンタはどうしたい」


「私……?」



きょとんとしているさっきー。


まさか、自分に話を振られるとは思っていなかったんだろう。



「アンタがいいっていうなら調べる。けど、ダメなら調べねぇよ」


「え…………」



歩がそう言うのも分かる。


俺は、さっきーを傷つけた奴を助けるために来た。


仲間であるさっきーが嫌なら、歩も俺に手を貸すわけにはいかないだろう。

< 120 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop