闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
歩がスマホから目を上げる。
「九條……奈緒だと?」
「あぁ」
「理由は」
「あいつが何かやべぇことに巻き込まれてる。助けに行く」
「……お前、騙されてんじゃねぇの」
「んなことねぇ」
怪訝な顔をする歩は、さっきーに目を向けた。
「アンタはどうしたい」
「私……?」
きょとんとしているさっきー。
まさか、自分に話を振られるとは思っていなかったんだろう。
「アンタがいいっていうなら調べる。けど、ダメなら調べねぇよ」
「え…………」
歩がそう言うのも分かる。
俺は、さっきーを傷つけた奴を助けるために来た。
仲間であるさっきーが嫌なら、歩も俺に手を貸すわけにはいかないだろう。