闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「私、は……」
迷ったように戸惑うさっきー。
そうだよな……簡単には、許せねぇよな。
謝られても、いないわけだし。
俺はギュッと拳を握ると、さっきーに向かって膝をついた。
そして、そのまま両手をついて……土下座を、した。
「り、諒真さん!?何を……」
「頼む、さっきー。あいつを許せないのは分かる。でも……あいつは、そうするしかなかった。お前に申し訳ないと思いながらも、それでしか自分の身を守ることが出来なかったんだ」
「諒真さん……?」
俺は、本当に、自分が最低だと思う。
こんなの、言い訳がましく聞こえると思う。
……でも。
「俺は、あいつを守るって約束した。絶対に裏切らないって、約束したんだ」
「先輩、そんなこと言うのはずるいと思う」
歩が遠まわしに『やめろ』と言っている。
でも、ここでやめるわけにはいかねぇんだ。
「……救い、たいんだ…………」
「…………何で?」
さっきーが、俺の前に屈む。
「どうして、そう思うの?ちゃんと言って」
さっきーが言うのは、嫌味とか皮肉とかそういうのじゃない。
きっと……彼女には、分かるんだ。
彼女の澄んだ瞳を見上げて、言った。