闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「……俺は、奈緒が好きだ」
「よくできました」
優しく笑ったさっきーは、歩に向き直る。
「歩、調べて。お願い」
「アンタがそう言うなら」
ニヤリと笑った歩は鞄からノートパソコンを取り出し、スマホを接続する。
しばらくカタカタと操作した後、手を止めた。
「……やべぇな」
いつになく真剣な顔で、歩が呟いた。
「九條の義理の母親……」
「あぁ、どっかのヤクザの組長の女だろ?」
それはもう知ってる。
しかし、歩がいいたいのはそう言う事ではないらしい。
「その『どっかのヤクザ』……大堂組だ」
「…………嘘だろ?」
大堂組、だと?