闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「くそ…………!」
ギリッと歯ぎしりした。
大堂組は、若沢組と対立する唯一の組。
平気で人を殺し、売り、犯る。
薬だってそこらのマフィアよりひどい。
そんなやつらの組長の女だと……!?
「本当にやるのか?諒真先輩。俺らも……」
歩は、俺のことを心配しているのだろう。
ここでもっと対立すれば、俺は親父に殺されるだろう。
最も惨いやり方で拷問される。
きっと、前の俺なら……ここで諦めていた。
自分の身を守るために、他人を犠牲にしただろう。
……前の俺なら、の話だ。
「やってやる。お前らは来るな、危険だ」
「……そうかよ。ここだ」