闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
歩は俺にパソコンを向け、点滅する場所をさした。
ここから15キロほど離れた場所だ。
「……結構遠いな」
「俺のバイクを使え」
「さんきゅ」
歩がバイクのキーを投げてよこす。
「歩も、さっきーも……ありがとな」
「諒真さんの恋のためだもん」
ケラケラ笑うさっきー。
そうか、これが恋ってやつなのか。
・・・行くか。
「先輩」
空き教室から出ようとすると、後ろから歩に呼び止められた。
「…………死んだら、殺すぞ」
何だよそれ。
死んだら殺すって。
二度も死ねるか。
歩らしい。
フッと笑って、俺は手を挙げた。
「……おぅ」