闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
──バアァァンッ!!
ものすごい音がして、物置の扉が飛んできた。
「!!?」
あたしの上にいる男がそちらを向く。
ぼんやりとする意識の中、そちらに目を向けると………
「助けに来たぞ、奈緒」
逆光で光っているのは、美しい銀色の髪。
「諒真、さん……?」
その人はあたしに近寄り、上に乗っている男を殴り飛ばした。
あたしに上着をかけながら、彼は微笑む。
「奈緒」
あたしを呼ぶ、諒真さんの声。
こんなときでも胸が高鳴る。
「諒真、さ……」
「遅くなって悪い...。約束、守りに来た」
スゥッと、涙が一筋流れた。
彼は、来てくれた。
あの言葉通りに。