闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
これじゃあ、あいつらに復讐できないじゃない。
翠斗をあたしのものにする必要がある。
・・・どうするべきか。
どうすれば、あの女をここから追い出せる?
イチャつく本田咲誇と翠斗の姿を眺めながら、顎に手を当てて考える。
・・・だめだ、思いつかない。
うーんと背伸びをして、屋上から下を眺める。
すると、ちょうど真下にいる人物に、目が止まった。
長い黒髪に、小柄な体型。
「…………本田咲誇?」
そう呟きながら後ろを振り返ると、そこにも本田咲誇の姿が。
あれ・・・・?
少し考え、あぁ、と納得した。
「……そっくりさん、か」
あの女子と本田咲誇……後ろ姿が瓜二つだ。
瓜二つ・・・?
あたしの中で、黒い何かが渦巻く。
「ふぅ〜ん……なるほどねぇ……?」
トン、トン、と屋上の手すりを指で叩いて、微笑んだ。
「作戦、開始♪」