闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
季節は巡って、冬が来た。
「奈緒」
背後から呼ばれ、笑みを作って振り返る。
「翠斗〜♪」
ギュッと抱きつくと、抱きしめ返してくれる。
「クリスマス、どこに行きたい?」
「翠斗のお家かなぁ〜?」
「考えとくよ」
あたしが【桜蘭】の正式な姫となって、数ヶ月。
偽装写真で見事本田咲誇を追い出したあたしは、翠斗のハートもゲットした。
少し色仕掛けしただけで、簡単に落ちた。
ほーんと、男って利用するに限る。