闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
100mほど走ったところで、銀の何かが視界の端で光った。
そちらを見ると……
「なぁなぁ、君可愛いね!!連絡先教えて?」
「え…あの…」
困る女の子に言い寄っている、アイツ。
ふつふつと怒りがわいてくる。
あたしの存在に気がついていないアイツの後ろに歩み寄り、トントンと肩を叩いた。
「ん〜?何………」
笑顔で振り返ったアイツの顔が、だんだんひきつっていく。
「新郎がここで何してるのかなぁ〜?」
「な、奈緒……」
「ごめんなさいね、このくそバカが御迷惑をおかけしまして……」
女の子に頭を下げ、諒真さんを引きずって会場に戻った。