闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「やっと立った」
優しく、諒真さんの腕に包まれた。
「はな、して……!諒真さんなんて、嫌いなんだから…………」
「俺は好き」
「…………女の子、ナンパしたくせに」
「それでも、俺が好きなのは奈緒だけ」
・・・ずるい。
そんなこと言われたら、許しちゃうじゃん。
「……もう、しない?」
「しねぇ。奈緒がいてくれればいい」
「……諒真さん、好き…………」
「…諒真って、呼んで?」
甘い声で囁かれ、体が跳ねる。
「早く。もうそろそろ俺出番だから」
「ゔぅ……」
恥ずかしすぎて顔から火が出そうになりながら、小さい声で言った。
「りょう、ま……」
「聞こえねぇ」
い、意地悪すぎる!!
こんなに頑張ってるのに…………!!
「諒真…………んっ!」
目をつむって呼んだとたん、唇に柔らかいものが触れた。
目を開けると、諒真さんが意地悪く笑って見下ろしている。
「奈緒が超可愛いから、心配なんだけど」
「はっ……!?」
「じゃあ俺行くわ」
言いたいことだけ言って、諒真さんは出ていった。