闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「ちょっとしたギモンなんだけどさ」
【睡嵐】の倉庫で、いつものようにまったりしているとき。
咲誇さんが、唐突に話し始めた。
「歩って...何で【睡蓮】に入ったの?」
「え?」
反応したのは、真浩。
当の本人である歩は、隣のソファーでヘッドホンをつけたまま寝てしまっているから。
「だってさ、歩って一匹狼な感じだもん。
チームに入ろうとは思わなそうだし」
確かに...。
俺は1人で生きていける。
とか、言いそう。
なーんて...本人に聞かれたら激怒だろうけど。
「そりゃあさっきー、俺が誘ったからに決まってるだろ?」
自慢げに胸を張る諒真さん。
そんな彼を、咲誇さんは冷めた目で見た。
「諒真さんが誘ったら絶対入らないでしょ」
「おい、それどういう意味だよ〜」
「そのまんまの意味!」
「ひでぇー!!」
咲誇さんと諒真さんの掛け合いで、その場が笑いに包まれる。
でも...ただひとり。
真浩だけは、少し困ったように苦笑いしていた。