闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
どうしたの、と声をかけようとした時。
「...どうした、真浩」
蓮央さんは、あたしより早く気づいたみたいで。
さすがは総長。
みんなのことをちゃんと見てるんだね。
名指しで心配された真浩は、取り繕うように可愛らしく顔の前で手を振って。
「...あ、何でもないよ!」
「何でもなくないだろ。
何か知ってるんじゃねぇの?諒真も」
「ぅげっ!?ななな、何も知らねーよ!」
蓮央さんの視線が、諒真さんに向けられると、諒真さんはとても分かりやすい反応をした。
...この2人、なにか隠してる。
そう勘づいたあたしたちは、一斉に問い詰めた。
「...諒真、話せ。俺らに隠し事はナシだろ」
「蓮央の頼みでも無理だ!
言ったら俺が歩に半殺しにされる!」
「諒真さん、話して?」
「ぐっ...許せ奈緒!無理だ!」
ちっ。
「言わねぇと今年いっぱいビール無しな」
「ひどくね!?ひどすぎねぇか圭太っ!?」
真浩も同じように問い詰められていて、困り果てている。