闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
黙って話を聞いていた青髪の男がだるそうに口を開いた。
「諒真、こいつが『奈緒』?」
「あぁ。自分で『きゃー!奈緒怖ぁい!』って言ってたからよ」
はぁぁ!!?
そんなこと、一言も言ってないんですけど!!
となりの赤髪の男に「キモ」と言われ、腹が立って周りを見回すと、倒れている翠斗を見つけた。
「奈緒の翠斗に何してんの!!」
慌てて駆け寄り、その頬を撫でる。
「翠斗、あいつらにやられたの?」
そう尋ねると、翠斗は首を振って、あたしの背後を指差す。
あれは…………本田、咲誇?
なんだ、いたの。
……てか、女にやられたんだ。
ふーん・・・
すっくと立ち上がり、翠斗から離れる。
「大丈夫だ、奈緒……俺は…………」
はぁ?
何?あたしがあんたの心配してるとでも?
笑っちゃうよね。