闇桜〜銀色のキミに恋をした〜



「負け犬は黙っててくんない?いい加減うっざいのよ、アンタ」



思わず口にすると、その空気が凍る。


だって、本当の事じゃない。



「世界トップだからアンタの女になってやったけど?こーんな女に負けるなんて、ホント役たたずな男ねぇ?」



振り返りもせず、本田咲誇の隣りにいる青髪の男に近づく。


もうこの際だから、全部バラしちゃおっか。


そこのあほづらの女にも。



「せっかく偽装の『奈緒いじめ現場』写真を用意してこの女を追い出したってのに。金の無駄だったわ、全く」



本田咲誇似の女、意外とがめつくて。


五、六万請求されたのよ?


それでこのザマ?


何だかおかしくて、笑いがこみ上げる。



「キャハハハハッ!!」



ひとしきり笑った後、青髪の男に目をやる。


たしか、本田咲誇はこいつが総長の【睡蓮】の姫だったっけ?



「てことは、あんたが世界のトップなわけね?」



ふぅん……顔立ちもいいし、女になってやる価値はありそうね。



利用しちゃおう。

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