闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「ねぇ、お願い…………」
なかなか反応しないので、もう一度言って若木諒真を見上げると。
彼は、まるでこの世のものではないものをみたときのような顔をしていた。
そして、あたしの腕を振り払って黒髪男のところに駆けていく。
「圭太ぁぁ!!何この女!ドM!?」
「お前ほどじゃないけどな」
「ひどくね!?俺Mじゃねーし!!」
黒髪男と言い合いをするその姿には……さっきまでの鋭さのかけらもない。
なんというか…………ただのガキだ。
これって・・・
「二重、人格?」
「あぁ」
独り言に反応され、バッと青髪男を振り返る。